世界の中心でマイを叫んだけども

06,02,12公開ー
日記とか、感想とか、考察とか。
ぼそぼそとつぶやくようにもなりました。http://twitter.com/Kuro_ino
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管理人が体験した東日本大震災 2011.3.11 21:20〜
※このシリーズは、当ブログの管理人が東日本大震災に遭遇した際の行動と、
 そのときに考えていたことを出来るだけ詳細に、なおかつ率直に書き綴っていくものです。

 当時の震災をミクロな観点で、ありのままに書き綴っていくため、
 意味が分かりづらかったり、嫌悪したくなるような描写もたびたび登場するかと思います。
 
 物語のようにテーマ性があるワケでも一貫性があるワケでも勧善懲悪というワケでもないので、
 その点だけはご了承いただければと思います。


帰路の途中で出会った男性。
その男性が行こうとしていた道は、瓦礫で埋まっていた。
先ほど見たときよりも、ずっとずっと地元に近い場所が津波に呑まれたという事実を物語るその光景に、私は恐怖のような感情を覚えた。

(・・・ここから3キロぐらいで僕の実家。で、僕の実家はこの場所よりずっと海に近い。
 ということは、やっぱり・・・)

そして、私の家よりもさらに海に近い男性の家は。

(・・・どう伝えたらいいのかな。とにかく戻ろう)

Uターンし、来た道を戻って、男性と合流した。
私は、迷った末に、

「ダメです。通れなくなってました」

とだけ伝えた。
男性は、「そうですか」と答えて、歩き出した。
私も続く。
そこからしばらく、どのようにして歩いていたのかは思い出せない。
どんな会話をしたのかも。

次の記憶は、地元に1キロほど近づいたところにあるT字路交差点に到着したとこで始まっている。
その交差点を左に曲がれば、また男性の自宅方面に向かうことはできる。
ただ、普通に考えれば、また先ほどと同じように、途中から道は瓦礫で塞がってしまっているだろう。
しかし男性は、

「ここから、行ってみます」

と言った。

「・・・そう、ですか?」

私は言葉を選びつつ、

「・・・正直、ご自宅までたどり着くのは、かなり困難な状態になっていると思います。
 もしも奥さんがどなたかに助けられているのだとしたら、○×中学校とかへと
 すでに避難している可能性もあると思います。
 先にそちらのほうを探してみるのも手だと思いますが・・・」

口にこそ出さなかったが、

(最初に探すべきはあちこちの避難所だ。もし避難所にいない場合、
 つまり奥さんが近所の人に助けられていなかった場合、生存している可能性は皆無のハズだ)

という考えを抱きながらの発言だった。
私の心中を察しているのかいないのか、男性は数秒ほど考えたのちに、

「いえ、やっぱり行きます」


と答えた。
その選択は、どのような意図を含んでいたものだったのか、私には分からない。
救助されているのだとしたら、どのみち避難所を急いで探す必要もなく、
それならいっそ自宅周辺を捜索しておき、もしそこにいた場合助けられる可能性を高めようという考えか。
それとも、奥さんがどうなっているかはともかくとして、とにかく瓦礫の状況や
自宅の周辺を見ておきたいという思いなのか。
あるいは他の理由、あるいはそれらすべてを合わせた理由か。
私には分からなかった。

「・・・そうですか。それじゃ、お気をつけて!」

私は、できるだけ元気に言った。

「はい、ありがとうございました」

男性はそう言って、暗闇へと姿を消していった。
私も歩き出す。
自宅まで、およそ3キロというところまで来ていた。
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