世界の中心でマイを叫んだけども

06,02,12公開ー
日記とか、感想とか、考察とか。
ぼそぼそとつぶやくようにもなりました。http://twitter.com/Kuro_ino
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管理人はこんな人
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管理人が体験した東日本大震災 2011.3.12 AM1:00前後〜
※このシリーズは、当ブログの管理人が東日本大震災に遭遇した際の行動と、
 そのときに考えていたことを出来るだけ詳細に、なおかつ率直に書き綴っていくものです。

 当時の震災をミクロな観点で、ありのままに書き綴っていくため、
 意味が分かりづらかったり、嫌悪したくなるような描写もたびたび登場するかと思います。
 
 物語のようにテーマ性があるワケでも一貫性があるワケでも勧善懲悪というワケでもないので、
 その点だけはご了承いただければと思います。

生存者の捜索を開始してから1時間。
僕は、自宅のそばを通り過ぎようとしていた。
足下の瓦礫に注意して歩きつつ、何度も何度も自宅のあった場所を確認する。

「・・・・・・」

諦めという感覚が一番近かったと思う。
自分が歩いている道路に面している幼なじみの家、その奥に位置する僕の家。
そのどちらもが、暗闇でハッキリと理解できるほどに、影も形も無くなっていた。
少し前に、遠くから見た時点で分かっていたことだった。
だからもう、精神的なダメージも少なかった。
それよりも今は生存者の捜索をするべきだと思った。
けど、どうしても、自宅があった場所に行ってみたくなった。

注意深く道路を確認し、幼なじみの家の敷地に入る道路を見つけ出す。
自分が今いる場所からは、幼なじみの家の前を通って自宅に向かうのが一番近い。
本当ならもっと北側にある砂利道から入っていくのが正しいルートなのだけれど、
それだと遠回りになってしまう小学校時代の通学路や、
たまに幼なじみと一緒に下校した中学校時代などは、いつもこのルートを使っていた。
懐かしい気持ちになる。
幼なじみと僕の家の間には小さな沼があって、そこでオタマジャクシの卵を一緒に観察した。
台風の中幼なじみの家の前を通って帰ろうとしたとき、ものすごい豪風と豪雨に襲われて、慌てて幼なじみの家に避難した。
幼なじみは、トイレと2階の窓の閉め方が分からないから助けてと言ってきた。
幼なじみの家の庭に、僕の家の庭にあった松の木をプレゼントした。
沼の付近に落とし穴を掘って、互いを落とそうとしたり飼い犬を落とそうとしたりした。
飼い犬は体重が軽いせいで落ちなくて、おかしいなと思って確かめにいったら自分が落ちたりした。

そんなことを思い出しながら、僕は、瓦礫で覆われてしまった幼なじみの家の庭を、横切った。
そして、ここから自分の家に向かうのは諦めるべきだと判断した。
幼なじみと僕の家の間にある小さな沼が、瓦礫で何倍にも膨れあがり、
何がどうなっているのか掴めない大きな池と化していた。

(・・・・ダメか・・・・)

諦めの気持ちに混ざった寂しさの感情が強くなったのを覚えている。
僕は実家を確認するのを諦めて、生存者の捜索に戻ることにした。


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