世界の中心でマイを叫んだけども

06,02,12公開ー
日記とか、感想とか、考察とか。
ぼそぼそとつぶやくようにもなりました。http://twitter.com/Kuro_ino
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管理人はこんな人
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管理人が体験した東日本大震災 2011.3.12 AM1:30前後〜
※このシリーズは、当ブログの管理人が東日本大震災に遭遇した際の行動と、
 そのときに考えていたことを出来るだけ詳細に、なおかつ率直に書き綴っていくものです。

 当時の震災をミクロな観点で、ありのままに書き綴っていくため、
 意味が分かりづらかったり、嫌悪したくなるような描写もたびたび登場するかと思います。
 
 物語のようにテーマ性があるワケでも一貫性があるワケでも勧善懲悪というワケでもないので、
 その点だけはご了承いただければと思います。


生存者の捜索を再開してしばらく。
これといった変化は無く、ただひたすらに同じコトの繰り返しだった。
歩きながら呼びかける。足を止めて返事を待つ。また歩き出す。
実家の西側を走っていた道路沿いを歩いていたが、瓦礫の量がかなり多い。
やはり、西側にある丘に津波がぶつかり、大量の瓦礫がその場に堆積したようだった。
非常に歩きにくい反面、生存者がいるとしたらこの辺りだとも思える。
引ききらない海水に足を取られ、足首から下は完全に濡れそぼっていた。
けれど寒さを感じた記憶は無い。
動き続けていたからか、興奮状態で感覚が麻痺していたのかは分からないけれど。

(しかしまぁ、そう簡単に生存者を発見できるなんて思ってもいなかったけど、
 実際にこうして歩いてみると、ものすごく無駄なことしてるような気がしてきた。
 このままひとりも見つからないままだったら間抜けも良いところだよね。
 いったん避難所に戻って、朝まで休んでから創作を再開しようかなぁ。
 それとも避難所の体制を整えることや、避難所へのルートを整備したほうが良いのかなぁ)

そんな思考も、何度も頭をよぎるようになっていました。

(けどなぁ・・・ここから戻るのもすごい時間かかるしなぁ。
 いっそそこら辺で寝てしまおうか? 富士山の頂上でごろ寝したときに比べれば
 快適に眠れそうだし。んー、でもさすがにそれもなぁ・・・)

と、色々な案は浮かぶものの、どれも実行に移すまでには至らず、ほとんど惰性のみで捜索を続けていた。
そんなとき、

「・・・ぉぉー・・・」

声が聞こえたような気がした。
反射的に体の動きが止まって、辺りをうかがう。
数秒ほどしてから、もう一度呼びかけてみた。

「・・・誰かいますかー!? いるのなら、もういちど声を出してくださーい!」
「おおー・・・!」

先ほどよりもハッキリとした声が、前方から聞こえてきた。

「誰かいるんですねー!? 待っててくださいねー! いま、もう少し近づきますからねー!」

積み重なった瓦礫をいくつか乗り越え、声の主のほうへと向かう。
どっちから聞こえているのか、暗闇の中ではハッキリとは分からない。
しかしとにかく、今まで聞こえなかった声が聞こえて、進んでいた方向は南なのだから、
南の方に歩いてみるしかなかった。

「もう一度、声を出すか、音を出していただけますかー!?」
「おおー・・・!」

そんなやり取りを何度も繰り返し、ようやく、声の主を発見することができた。

「もう大丈夫です。いま助けますからね」

と、テンプレート通りの励ましの言葉をかけながら、ケータイのライトを使って状況を確認する。
そこにいたのは、細身の中年男性。
腹部から下が瓦礫に覆われている。しかしどうにもならないほど大きな瓦礫は無さそうだった。
問題なのは上半身の右腕。家の屋根裏部分だと推測できるような大きな瓦礫で挟まれている。

「大丈夫ですか? いま、この腕に乗ってる瓦礫をどけますね」
「はい・・・」
「右腕の指先は動きますか?」
「動きます・・・」
「痛みは?」
「かなり痛い・・・」
「出血してるかどうか、ご自身でわかりますか?」
「分からないです」
「わかりました。ちょっと待っててくださいね」

ライトを使って、男性の右腕を照らして確認する。挟まれている部分から先はまったく見えないが、挟んでいる瓦礫の形状から判断するに、出血などはしていないようだ。

(それに、出血がひどかったとしたら、この時間まで生きていないだろうし・・・)

多少の無茶をしても問題なさそうだと判断する。

(この状態の瓦礫をどけようと思ったら、やっぱりテコを使うのが一番なのかな)

周辺を捜索して、頑丈で、ある程度以上の長さをもった材木を探すことにする。幸い、辺りには家の柱だったと思われるような木材がゴロゴロしていた。長さ2メートルほどの角材が、ほどなくして見つかった。
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