世界の中心でマイを叫んだけども

06,02,12公開ー
日記とか、感想とか、考察とか。
ぼそぼそとつぶやくようにもなりました。http://twitter.com/Kuro_ino
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管理人が体験した東日本大震災 2011.3.12 AM2:00前後〜

※このシリーズは、当ブログの管理人が東日本大震災に遭遇した際の行動と、
 そのときに考えていたことを出来るだけ詳細に、なおかつ率直に書き綴っていくものです。

 当時の震災をミクロな観点で、ありのままに書き綴っていくため、
 意味が分かりづらかったり、嫌悪したくなるような描写もたびたび登場するかと思います。
 
 物語のようにテーマ性があるワケでも一貫性があるワケでも勧善懲悪というワケでもないので、
 その点だけはご了承いただければと思います。


男性の腕を挟んでいる瓦礫の下に、拾った角材をねじ込む。
しばらくは上手い具合に引っかかってくれなかったが、試行錯誤しているうちに、
力を込めても外れない程度の状態にはすることができた。
差し込んだ角材の下に支点となる角材を設置し、テコとして機能するよう調節する。

「それじゃ、今から瓦礫を持ち上げてみます。痛いかもしれませんが、引き抜けそうになったなら抜いてくださいね」
「はい・・・」

弱々しい男性の返事を確認してから、私は角材の端を掴み、下へと引き下ろすように力を込めた。
しかし、思ったようにはいかない。
瓦礫はわずかに軋むものの、持ち上がるというところまではいかないようだ。

「どうですか?」
「・・・ダメ、みたいです・・・」

念のために聞いてみたものの、返ってきたのは苦しそうな応答だけだった。
ただ、わずかにでも動いたのなら、それほど極端な重量というワケでもなさそうだった。

(そうだよな。見た目にもそこまでじゃないし、そんなに重かったら男性の腕が潰れちゃってるだろうし。
 100圓ら重くても400圓阿蕕い覆里なあ)

そんなことを考えつつ、テコに引き下げるのではなく、押し上げる方法を試してみることにする。

「でも、なんとか動くかもしれません。今度は別な方法で試してみますね。
 さっきと同じく、抜けそうだったら抜いてください」
「わかりました・・・」

なるべく押し上げる幅を大きくするために、体勢を低くした。
右肩でテコを担ぐ。
持ち上げたときにバランスを崩したりすることの無いよう、しっかりと足場を確認する。
おみこしを担いだときのことを思い出した。

(最初に担いだのは保育所の頃だったかな。それからも何度かあるけど、
 肩がすっごい痛くなるんだよなぁ、あれ)

そんなことを考えながら、まずは軽く力を込めて、持ち上がるかどうか試してみる。
動かない。
徐々に力を強くしていき、全力の7割ぐらいの力を込めた。
動きそうだった。

(全力を出せば動く、っていうんじゃダメだよな。万が一のときに状況を悪化させる危険があるし。
 最低でも1分ぐらいは状態を維持できる程度の力で大丈夫じゃないと・・・)

そう考えつつ、尋ねてみる。

「ちなみにこの状態じゃ、まだ抜けませんよね?」
「・・・そうですね」

痛みをこらえながら引き抜こうとした後、男性が答えた。

「でも、さっきまでよりは痛みがマシになりました」
「分かりました。それじゃ、今から出来る限りの力で持ち上げてみます。
 それで無理そうならまた別の方法を考えます。道具を変えても良いし。
 避難所から助っ人を呼んできてもいい。どっちにしろあなたはもう助かったも
 同然だと思ってもらって大丈夫ですから安心しててください。」

気休めの言葉をかけつつ、

「それじゃ、行きます」

力を込めた。
全力から一歩手前、わずかに余裕がある程度の力。

「・・・っ!」

肩に角材がめり込む痛みを感じる。
しかし同時に、瓦礫が持ち上がった感覚も得られた。
男性に問う。

「どうですか・・・?」
「・・・・ぐぅ、ぅぅ・・・っ!」

見ると、男性は身をひねり、腕を引き抜こうとしている。
すんなりとは行かないようで、激痛を味わっているようだった。

(どうだ? 抜けそうなのか? 無理なら状況を悪化させるだけだ。
 でもここから助っ人を呼びに行く間、このまま待たせるのもマズイし)

そんな考えが刹那的に浮かんでいる最中、男性は、どうにか腕を瓦礫の下から完全に引き抜いた。

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