世界の中心でマイを叫んだけども

06,02,12公開ー
日記とか、感想とか、考察とか。
ぼそぼそとつぶやくようにもなりました。http://twitter.com/Kuro_ino
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管理人が体験した東日本大震災 2011.3.12 AM2:15前後〜
※このシリーズは、当ブログの管理人が東日本大震災に遭遇した際の行動と、
 そのときに考えていたことを出来るだけ詳細に、なおかつ率直に書き綴っていくものです。

 当時の震災をミクロな観点で、ありのままに書き綴っていくため、
 意味が分かりづらかったり、嫌悪したくなるような描写もたびたび登場するかと思います。
 
 物語のようにテーマ性があるワケでも一貫性があるワケでも勧善懲悪というワケでもないので、
 その点だけはご了承いただければと思います。


男性の右手は、無事に瓦礫の下から引き抜かれた。
僕は僕で、体を痛めないようにゆっくりと力を抜いていき、テコで持ち上げていた瓦礫を下ろす。

「良かったです。あとは下半身に乗っかっちゃっている瓦礫をどけてしまいますから、ちょっとお待ちください」

幸いなことに、それらは道具を使わずとも除けられるものばかりだった。
1分ほどかけて、除去が完了する。

「終わりました。立てますか?」
「・・・う・・・」

男性の背後に回って脇の下から手を通し、補助をしながら男性を立たせる。

「気づかなかっただけで、どこか不調を来している可能性もあります。ゆっくりと行きましょう」

足場の悪さや自分の体を確認するようにしながら、男性はようやく立ち上がった。
辺りを見回し、

「ここは、どこなんでしょうか」

と尋ねてくる。

(ん? 地元の人じゃないのか? あ、いや、確認したいだけか?)

という疑問を抱きながら、僕は

「住所的にいうと○○の××になります。えーっと、あそこにシルエットで見えているのが○×小学校ですね。
 で、あそこらへんが××駅。あそこが○×。で、あっちに行ったところが××中学校になっています。分かりますか?」

と説明する。

「ああ・・・」

と、男性はなんとなく把握したようだった。
右腕はだらんと垂れ下がっている。折れているのかどうかはわからない。
やや猫背になり、寒そうに全身を震わせていた。

「それじゃ、中学校が避難所になってますので、今からそこに向かおうかと思います。ちょっと確認したいことがあるので、屈伸運動してもらってもよろしいですか? 無理ならしてもらわなくて大丈夫です」
「はぁ・・・」

言われるがまま、男性はその場で屈伸を始めた。右腕が痛むようだが、それ以外の体の機能は問題ないようだ。

(津波に呑まれて今まで動けなかったのにこの程度で済んだっていうのはすごいな。
 マンガみたいだ。・・・あ? いや、というか、マンガみたいな幸運の人だけ、
 未だに生き残っているってことか・・・?)

そんなことを考えながら男性を観察する。

(寒いなら上半身の服を脱いでしまったほうがまだ暖かいかもしれないな・・・いや、さすがに乾いた服を着ないと
 寒さが増すだけだろうか。ぼくの服を着せるか? いや、嫌だな。まぁ、ここから寒さで死ぬことはないだろう。
 わ、ていうかよく見たら、靴も普通に履いてるんだ。普通なら脱げて流されてしまいそうなものだけれど・・・)

「ありがとうございました。それじゃ出発しますけど、歩けそうですか?」
「・・・だいじょうぶ」
「ひとつ質問させてくださいね。もしも問題なく歩けるようでしたら、すみませんが1人で中学校まで向かってください。
 僕はまた、生存者の捜索に向かおうと思っていますので。
 誰かの肩を借りなければ歩けないようでしたら、僕が肩を貸します。
 僕はどちらでもいいです。正直に仰ってくださいね。どちらにしますか?」

観察した限りにおいては、ひとりでも大丈夫そうだと思って、私はそう聞いた。
非情なことを言っている自覚はあったけれど、私は別に救助隊員というワケでも無いし、
助けが必要でもない人間を助けている間に、助けが必要な人間が命を落とすことになるのかもしれないのだ。
男性は、数秒ほど考えたあと、

「・・・一緒に来て欲しいですね。どんな状況になってるのかが分からないので・・・」

そう答えた。

「分かりました。ゆっくり行きましょう」

私は即答し、左側から肩を貸し、歩き出す。
瓦礫のせいで非情に歩きづらいが、まったく進めないほどではない。

(ヘタすると2時間ぐらいかかるかもな・・・)

そう思いながら、僕は歩を進めていきました。
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