管理人が体験した東日本大震災 2011.3.12 AM4:15前後〜
※このシリーズは、当ブログの管理人が東日本大震災に遭遇した際の行動と、
そのときに考えていたことを出来るだけ詳細に、なおかつ率直に書き綴っていくものです。
当時の震災をミクロな観点で、ありのままに書き綴っていくため、
意味が分かりづらかったり、嫌悪したくなるような描写もたびたび登場するかと思います。
物語のようにテーマ性があるワケでも一貫性があるワケでも勧善懲悪というワケでもないので、
その点だけはご了承いただければと思います。
遺体に処置を施したあと、私は再び生存者の捜索をしていた。
周囲への呼びかけ、反応の確認、場所移動の繰り返し。
すっかりパターン化した行動を繰り返しながら、私はあることを考えていた。
(・・・数時間前に発見した生存者は、声を出すことで、僕にアピールできたから助けられたけど、
ひょっとして、僕の声に気づきながら、しかし自分の存在に気づいてもらうことは出来ず、
そのまま置き去りにされて命を落としてしまった人も、どこかにいたんじゃないだろうか。
もしもそんな人がいたのだとしたら、ものすごく残酷なことをしてしまったな。
津波に呑まれ、生き埋めになり、痛みや寒さという苦しみに襲われ、
絶望に心を満たされたまま何時間も経過したころ、ようやく人の声が届き、
「これで助かる」と、希望が生まれたというのに、その救助者は、
自分に気づくことなく去ってしまった。
それって、誰も助けが来ないまま死んでいくよりも、はるかに辛いんじゃないだろうか)
そのようなケースが発生していた可能性はゼロではない。
もちろんそれは、ただの私の独りよがりな妄想に過ぎなかったのかもしれない。
けれど、そんなことを考えずにはいられなかった。
ちょうど、それぐらいのタイミングのことだった。
東の空が、黒以外の色を帯び始めていることに気がついた。
地震に襲われてから地元に向かい、途中で1人の男性に出会い、集団と出会い、
その内の1人を避難所まで案内し、母親と会話し、
生存者の捜索に向かい、あらゆるものに対して怯え、1つの命を救って、1つの死を見届けて、
様々なことを想い、様々な出来事を経験した夜が、ようやく明けようとしていた。
(そっか・・・もうすぐ夜明けか・・・明るくなれば生存者の捜索も効率も
格段に向上するんだろうな・・・。
でも・・・世界が終わったみたいな光景がハッキリ見えることになるんだろうなぁ・・・怖いなぁ・・・・)
そんなことを考える。
それでも、夜が明けることをとても嬉しく思う自分もいたという事実は、
今でもハッキリと覚えている。
生存者を捜す。
周囲から闇が消え始めた。
生存者を捜す。
東の空にグレーと青と赤の色が入り交じり、その比率を目まぐるしく変化させていく。
生存者を探す。
輪郭でしか分からなかった周辺の状況、その情報量が徐々に増えていく。
生存者を探す。
徐々に顕わになっていく地元の姿に、様々な感情がこみ上げてくる。
生存者を探す。
悲しさだとか怒りだとか喜びだとか、ぐちゃぐちゃな感情が混ざり合っていた。
そして、午前5時24分、私はカメラを取り出し、
シャッターを押した。
そのときに考えていたことを出来るだけ詳細に、なおかつ率直に書き綴っていくものです。
当時の震災をミクロな観点で、ありのままに書き綴っていくため、
意味が分かりづらかったり、嫌悪したくなるような描写もたびたび登場するかと思います。
物語のようにテーマ性があるワケでも一貫性があるワケでも勧善懲悪というワケでもないので、
その点だけはご了承いただければと思います。
遺体に処置を施したあと、私は再び生存者の捜索をしていた。
周囲への呼びかけ、反応の確認、場所移動の繰り返し。
すっかりパターン化した行動を繰り返しながら、私はあることを考えていた。
(・・・数時間前に発見した生存者は、声を出すことで、僕にアピールできたから助けられたけど、
ひょっとして、僕の声に気づきながら、しかし自分の存在に気づいてもらうことは出来ず、
そのまま置き去りにされて命を落としてしまった人も、どこかにいたんじゃないだろうか。
もしもそんな人がいたのだとしたら、ものすごく残酷なことをしてしまったな。
津波に呑まれ、生き埋めになり、痛みや寒さという苦しみに襲われ、
絶望に心を満たされたまま何時間も経過したころ、ようやく人の声が届き、
「これで助かる」と、希望が生まれたというのに、その救助者は、
自分に気づくことなく去ってしまった。
それって、誰も助けが来ないまま死んでいくよりも、はるかに辛いんじゃないだろうか)
そのようなケースが発生していた可能性はゼロではない。
もちろんそれは、ただの私の独りよがりな妄想に過ぎなかったのかもしれない。
けれど、そんなことを考えずにはいられなかった。
ちょうど、それぐらいのタイミングのことだった。
東の空が、黒以外の色を帯び始めていることに気がついた。
地震に襲われてから地元に向かい、途中で1人の男性に出会い、集団と出会い、
その内の1人を避難所まで案内し、母親と会話し、
生存者の捜索に向かい、あらゆるものに対して怯え、1つの命を救って、1つの死を見届けて、
様々なことを想い、様々な出来事を経験した夜が、ようやく明けようとしていた。
(そっか・・・もうすぐ夜明けか・・・明るくなれば生存者の捜索も効率も
格段に向上するんだろうな・・・。
でも・・・世界が終わったみたいな光景がハッキリ見えることになるんだろうなぁ・・・怖いなぁ・・・・)
そんなことを考える。
それでも、夜が明けることをとても嬉しく思う自分もいたという事実は、
今でもハッキリと覚えている。
生存者を捜す。
周囲から闇が消え始めた。
生存者を捜す。
東の空にグレーと青と赤の色が入り交じり、その比率を目まぐるしく変化させていく。
生存者を探す。
輪郭でしか分からなかった周辺の状況、その情報量が徐々に増えていく。
生存者を探す。
徐々に顕わになっていく地元の姿に、様々な感情がこみ上げてくる。
生存者を探す。
悲しさだとか怒りだとか喜びだとか、ぐちゃぐちゃな感情が混ざり合っていた。
そして、午前5時24分、私はカメラを取り出し、
シャッターを押した。